作曲/アレンジ

【楽曲紹介】『名探偵コナンメインテーマ』のアレンジの秘密

名探偵コナン

「見た目は子供!頭脳は大人!その名は、名探偵コナン!」

この台詞から始まるアニメ「名探偵コナン」を見たことがある人ならば必ず耳にしたことがあるBGMではないでしょうか?

それが「名探偵コナンメインテーマ」です

 

ミニケストラは、この名曲をアレンジし演奏させていただいています

今回はこちらの楽曲のあれこれや、アレンジの聴きどころを紹介します!

「名探偵コナンメインテーマ」について

番組本編での使用だけでなく、タイトルコールと次回予告で毎週流れるこちらのテーマ曲

イントロを聴けば浮かぶのは、赤い蝶ネクタイと青いジャケット、大きな眼鏡に癖っ毛のシルエット

「この曲は名探偵コナンだ!」と思い出さずにはいられない人、多いはず!

胸を撃ち抜かれるような銃の連射音にも似た始まりに、いきなりハツラツとしたブラス(金管楽器)やオルガンなどの音色が鮮やかに入ってくると、聴いている側は鳥肌が立ち、一気にテンションが上がります!

休むもなく、ドラムセットとギターのリズミカルなベース音を背景に、躍動感のある豊かなアルトサックスが颯爽と主旋律に駆けつけ、その堂々とした音色でじわじわと緊張感を煽っていく…

調子を最高潮に持っていかれる頃には、何度聞いていても気分は上々

自分の顔がニヤニヤしているのにいつも笑っちゃいます

階段を駆け下りるような終わり方も、耳に余韻を残してカッコいいですよね!

「名探偵コナンメインテーマ」の主人公は”アルトサックス”

この曲は、アルトサックスがメインの曲として有名です

サックス名探偵コナン

やわらかで情熱的なサックス特有の人間味溢れるサウンドは、物語への期待を膨らませるのにピッタリ

アニメ・名探偵コナンは1996年から放送が始まり、20周年を突破する長寿番組

子供から大人まで幅広い層の人気を集め続けている理由に、このサックス音のカッコよさが一役を担っているのは言うまでもありません

子供たちに『生音』を届けたい!「名探偵コナンメインテーマ」作曲者の想いとは

作曲者は往年の名作ドラマ「太陽にほえろ!!」のテーマを始め、様々なサウンドトラックを手がけている大野克夫さん

自身も「大野バンド」と呼ばれるバンドを組んでいる大野さんには「名探偵コナンメインテーマ」誕生に、ある思い入れがあります

最初この話を頂いた時、頭の中は“シンセサイザー”の音でもう出来上がっていましたでも、シンセだけじゃダメだから… 将来の子供たちに向かって『生音ってこういうもの』 『生ギターってこういうもの』 『手で弾く音楽はこういうものだ』と伝えてあげたくて、思わず… “ハモンド”って声を出したら『行きましょう。それで!』とスタッフの言葉が返ってきました。
http://www.ntvm.co.jp/interview/archives/05.html 引用

ハモンド、とはハモンドオルガンの略称

パイプオルガンに簡単に変わるものとして1934年に作られました

モーターの力で歯車のような鉄の板を回し、その近くに置いた電磁石に流れる電流の変化を読み取って音に変換する楽器です

ハモンド

ハモンドはモーターを回すのに電気の力を使いますが、電子音ではありません

モーターで回る歯車は鍵盤一つ一つについており、迫力ある深い音色を奏でます

臨場感のあふれる、いわゆる「生音」の出せるハモンドは魅力的で根強い人気があり、バンドの音にも負けない音量なので、ロックやジャズミュージシャンに愛されてきました

 

現在、かっこいい楽器の音色を再現できる電子楽器は欠かせなくなっています

シンセサイザーがその一つです

シンセサイザーが急速に発展し、一時はロックやジャズのハモンドに取って代わった頃もありました

それでもハモンドの太い「生音」は、電子音では再現出来ず、物足りなくなったミュージシャンたちから、再びハモンドオルガンは注目を集めています

電子音のカッコよさにスポットが当てられがちな現在だからこそ、「生音」を大切にする大野さんは、ハモンドを中心とした音色を名探偵コナンを通して子供たちに聴かせたかったのですね

実は「名探偵コナンメインテーマ」はアレンジが豊富な曲!

そんなお馴染みの「名探偵コナンメインテーマ」ですが劇場版ごとに曲調が異なるのをご存知でしょうか?

劇場版のストーリーに合わせて様々なアレンジが加えられており、意識して聞き分けてみると面白いですよ!

 

「名探偵コナンメインテーマ」、ミニケストラが演奏すると…?

さて、今まで述べてきたようにアルトサックスとハモンドオルガンが特色の「名探偵コナンメインテーマ」でしたが、ミニケストラにはサックスのような管楽器が、あっきー担当のフルートしかありません

鍵盤のサウンドは麻美先生のグランドピアノのみ

ノエル、プリンス、レオパードは全員、弦楽器

はたしてミニケストラによる「名探偵コナンメインテーマ」はアレンジによりどのように聴こえるのでしょうか?

 

麻美先生の勇ましく滑るようなピアノ(グリッサンドという技)の音に背筋がゾクゾクッとする演奏からこの曲は始まります!

元のテーマで印象深いエレキギターのイントロ(テレッ、テ~レレ~♪という部分です)を全部取っ払い、弦楽器が活躍する疾走感のあるメロディ

寄せては返すさざ波のような、きらびやかで小気味好い音色は、ピアノとフルート、そして弦楽器3人の細かい弓の動きから次々と生まれていきます

速弾きかつ体がリズムに乗っているのに、弓が弦に当たるときは常に平行で、音に雑味がないのがさすがですよね

 

00:17に颯爽と入ってくる主旋律

バイオリンとチェロといった、弦楽器ならではの艶やかで胸のすく上品な響きに惚れ惚れします

00:31や00:44のように合間に軽やかにかぶさる、あっきーのフルートが素敵ですね

主旋律を他の楽器が奏でている間にバックでリズムを取るのはレオパード担当のコントラバス

コントラバスはオーケストラ全体の土台となる音程、リズム、躍動感、雰囲気を決めてしまう可能性を持っています

コントラバス特有の渋い音色が、じわじわと迫力ある曲調を支えています

 

 

ピアノとフルートのみのパート(01:22)は、繊細で粒やかな音色が特徴

透明感のあるフルートの響きとピアノの高音によるしっとり聴かせるハーモニー

この部分は特に、聴き手の心を惹きつけてやみません

ミステリアスで少し切なさを覚える音の並びは、次の盛り上がりを予感させます

01:37は力強く濃厚な、プリンスのチェロの旋律が印象的

クールながらも内側に秘める「名探偵コナン」の熱量を表現している気がします

 

代わって01:50からはノエルのバイオリンがあっきーの細やかなフルートとともに主旋律を清々しく歌いあげ、02:02からチェロが再び入った途端、曲全体に厚みが増すのがわかります

チェロがあるとなしでは、音の広がりが異なることにびっくり!

プリンスが担当するチェロの存在感が感じられる瞬間です

締めは今までのノリを引き継ぎつつ、再び冒頭の疾走感あふれるパートに戻ります

たたみかけるように螺旋状に交わりながら、激しく降りてくる音の群れが、狂おしいほど美しい…!

クライマックスまで引っ張り、最後の最後まで余韻を残すかのように見せていきなり麻美先生のグリッサンドで曲がまとめ上げられて終わった瞬間、聴いていた自分が思わず肩に力を入れ、息を止めていたことに気づきました…

これはもう「劇場版」名探偵コナンの迫力でした…!(笑)

迫力ある「名探偵コナンメインテーマ」を生演奏で!

いかがでしたでしょうか?

ミニケストラ版「名探偵コナンメインテーマ」

その魅力が伝わったでしょうか

 

アルトサックスメインの曲なので、深く躍動感のあるサックスのサウンドなしで満足できるのだろうか…と、正直疑っていました

ですが、ミニケストラならではのアレンジは素晴らしかったです!

弦楽器が多いことを活かして感情豊かに歌い上げられ、気づけば聴き手は思いっきり引き込まれてしまいました

「名探偵コナンメインテーマ」作曲者の大野さんがこだわる「生音」を、ミニケストラはいつでも大切にしています

これからも楽曲紹介を行なっていきますので、どうぞお楽しみに!

記事や動画を見て、少しでも「面白いかも」と思った方は、ぜひミニケストラのコンサートにも足を運んでみてください

ネット越しには伝えきれない生演奏の楽しさを体験していただきたいです!