コラム

音楽の聴こえ方は感情との結びつきによって変わっていた

みなさんは普段どんな時に音楽に触れますか?

 

気分を盛り上げたい時や集中したい時、落ち込んだ時や失恋した時など…
あるいは、デートの雰囲気づくりや結婚式での演出など…

私たちは様々なタイミングで音楽を聴きますが、その多くは感情をコントロールするためではないでしょうか

 

かく言う私も今、筆を乗せるために音楽を聴きながらこの記事を書いています

今回は、音楽と私たちの感情との結びつきについてお話したいと思います

 

音楽は感情を呼び起こすは科学的に証明されていない

音楽感情

音楽を聴くと、いろいろな感情が湧き上がってくると思います

楽しい、嬉しい、悲しい、寂しい…

 

私たちは、音楽によってこの感情が呼び起こされていると考えてしまいますよね

実は「音楽によって特定の感情が生み出される」ことは科学的に証明されていないんです

 

何をもって科学的とするのかは議論の余地がありますが、現時点で音楽と特定の感情の結びつきは説明できていないのが実情です

結局のところ、デートが上手くいったり、告白が成功する音楽なんてものはないんです…

 

それでも音楽は感情を呼び起こす!

でも実際に私たちは音楽を聴いて(演奏して)、いろいろな感情が湧き上がることを経験していますよね

 

いったいどうことなのでしょうか

結論を言ってしまうと、音楽によってもたらされる感情は、音楽自体とは直接関係がありません

関係があるのは、その人の記憶と経験です

 

音楽と記憶の関係

たとえば、有名なJ.S.バッハの「主よ、人の望みの喜びよ」という曲があります

この曲を聴いてどんな感情を抱くでしょうか?

嬉しい気持ちですか?
悲しい気持ちですか?

 

結果が分かれると思います

 

なぜかというと、この曲は結婚式などの未来ある明るい場面でも使われますし、卒業式などの何か別れを告げる場面でも使われるからです

 

嬉しい気持ちや明るい気持ちになった人は、前者のタイプのイベントでこの曲を聴かれたことがあるのではないでしょうか

つまり、ある曲を聴いて思い出される(連想される)記憶がポジティヴなものであれば、その曲を聴いて抱く感情もポジティヴなものになります

言い方を変えると、音楽があらわす感情と、音楽を聴いて抱く感情は必ずしも一致しないということです

 

ある音楽を聴いたときに、どんな状況で、どんな感情を抱いていたかが重要なのです

 

音楽と経験の関係

 

記憶と結びつかない音楽を聴いた場合はどうでしょうか

 

はじめて聴く音楽でも、私たちは何らかの感情を抱くことがほとんどだと思います

音楽と感情の結びつきを考えるもうひとつのキーワードは「経験」です

 

私たちはさまざまな経験をすることで自我を確立させていきます

また私たちは、これまでの経験をもとに将来についての予想を立てることができます

 

同様に、私たちはこれまで聴いてきた音楽をもとに、音楽の曲調、聴こえ方と感情を結びつけて分類しています

(実際は「分類する」という能動的なものだけではなく、社会環境や生活習慣から受動的に教え込まれている、という場合もたくさんあります)

そして、新しい音楽に出会ったときに、この分類にしたがって感情が引き出されるのです

経験をもとに音楽の聴こえ方を分類している、と言うとわかりやすいでしょうか

初めて聴いた短調の曲が悲しく感じられるのは、私たちがネガティヴな感情を持つ状況で短調の曲を聴く機会が多かったからで、言ってしまえば短調の曲が悲しいのではなく、経験が悲しい感情を呼び起こしているのです

 

未知の音楽の印象

たとえば、音楽を聴いて衝撃を受けることがありますよね

衝撃を受ける理由はいろいろあるのですが、そのひとつに「分類からはずれた音楽」を聴いたから、というのも含まれます

 

記憶や経験をもとに聴こえ方を分類しようにも、あまりにも当てはまらないので脳がパニックになっている状態ですね

ストラヴィンスキーの「春の祭典」の初演を聴いた当時の人や、初めてジャズにふれたヨーロッパ人などは同じような心理状態の極致だったのではないでしょうか

 

ミニケストラの音楽の魅力

(西麻布保育園での出張コンサートの様子)

ところで、ミニケストラのコンサートでは、みなさんがよく知っているアニメソングやポップスを演奏します

つまり、みなさんの記憶や経験に寄り添う音楽ということです

なつかしのアニメソングを聴いて思い出に浸ったり、ノリのよいナンバーで明るい気持ちになったり…

 

よく知っている曲、親しみやすい曲を聴くメリットは、感情の結びつきがはっきりしているので、その感情も含めて音楽を味わえる点です

至近距離での生演奏は、メンバーの動きや表情も見ることができるので、よりいっそう感情と結びつきやすいと思います

 

感情を通して自分の記憶や経験を振り返るということは、自分自身と対話するということにほかなりません

普段の忙しい生活のなかで、自分自身と向き合うのはなかなか難しいですよね]

 

そんなときは、ぜひミニケストラのコンサートに足を運んでみてください!

演奏を楽しむのとあわせて、自分との会話も楽しむことができます

また、ミニケストラの音楽は、知っている曲をそのまま演奏するのではありません
メンバー自身が、ミニケストラに合わせたオリジナルのアレンジを加えています

よく知っている音楽だけど、ちょっと違う…

そんなささやかな刺激も一緒に味わえますよ(ストラヴィンスキーほどではないですが…)

みなさんのお越しをお待ちしております!