コラム

【楽器紹介】トランペットの歴史・魅力《オーケストラの支配者》

トランペットオーケストラ

オーケストラの支配者とも言えるトランペット

トランペットは金管楽器の仲間で、クラリネットと同様ミニケストラでは用いられていませんが、オーケストラではとても重要な役目を持っています

特にトランペットと聞いてイメージするのは、勇壮なファンファーレやパワフルなメロディーではないでしょうか?(例えば、競馬場でのファンファーレなど)

実際、トランペットはその起源から、儀式や祝祭などのイベントで、士気を高めたりする目的で使われていました

 

今回は、そんなトランペットの歴史や魅力について紹介をしたいと思います

トランペットの歴史

トランペットオーケストラ

トランペットの歴史は古く、今から3000年前の古代エジプトではすでに金属製のものが使用されており、いわゆる「ラッパ」型の楽器を演奏している光景が壁画に残されています

 

近代まで、現在のようなピストンやロータリーなどの「ヴァルヴシステム」と呼ばれる機能を備えておらず、金属の円錐形の単純な形状をしていました

単純な構造のため、現在のような音階を吹くことができず、自然倍音と呼ばれる音の並びを組み合わせて楽曲を演奏していました(ド、ソ、ド、ミ、ソ、シ♭、ド…)

ファンファーレなどは、現在でも非常に単純な音の組み合わせで演奏されているのも、このことが影響しているからです

 

自然倍音は、音域が上がるにつれ音と音との間隔が狭くなる特性を持っており、高音域では音階のように吹くことが可能でした(下図参照)

トランペット 倍音

http://xn--i6q789c.com/gakuten/baion.htmlより引用)

 

そのため、バロック時代のトランペット奏者たちは「クラリーノ奏法」と呼ばれる高音域を自在に操る演奏法を身につける必要があったのです

この技術はギルドと呼ばれる組織内でのみ伝えられる、非常に高度で貴重な技術でした

当時の権力者たちは雇っているトランペット奏者の数で権力を競ったとも言われているほどです

 

技術の発展とともに、木管楽器のような「キィ」付きのものが開発され、演奏の幅が広がりました(このキィトランペットは現在、静岡県にある浜松市楽器博物館で見ることができます)

そして、現在のようなピストントランペットが開発されたのは19世紀に入ってからのことでした

トランペットは神秘的?な楽器

トランペットオーケストラ

お話したようにトランペットは儀式で使われることが多く、宗教と強い結びつきを持っていました

 

例えば、キリスト教には「ヨハネ黙示録」に終末を告げるラッパと言うものがあります

これは「7人の天使が順番に吹き、最後の1人が吹き終わったとき、世界は終わりを迎える」と言うものです

天使が演奏すると言うことからも、古から人々にとってトランペットが特別なものであったことがわかりますね

 

存在感抜群のトランペット

オーケストラでは楽団の1番後ろに座り、人数もバイオリンやチェロなどよりもはるかに少なく、1人だけの時もあります

ですが決して楽団に隠れる事はなく、むしろ1本でも充分すぎるほどの存在感を発揮しま

 

指揮者の真正面に座っていることもあり、まさにオーケストラの支配者と言えるでしょう

ただし、オーケストラの規模拡大に伴うトランペットパートの増加は、前列の他の演奏者たちに悪影響を与えてしまう場合もあります(難聴での労災申請があるほど)

 

オーケストラでトランペットが使用される代表的な楽曲は、有名なL.アンダーソンの『トランペット吹きの休日』や、F.ズッペの『軽騎兵』序曲などがあります

魅力的なトランペットの音色を、ぜひ聞いてください

 

オーケストラはもちろん、ジャズや吹奏楽でもトランペットは活躍しています

むしろこちらのイメージを持っている方が多いかもしれません

ジャズではマイルス・デイヴィスやディズニーガレスピー、クリフォード・ブラウンなどが有名でしょうか

甘い歌声のチェット・ベイカーも人気ですね

 

トランペットの活躍する曲あれこれ

その他、映画などの劇中音楽の演奏でも有名なものが多くあります

『スーパーマン』や『スターウォーズ』のテーマ曲は、これぞトランペット!な迫力があります

ドラマのテーマ曲で特に有名なのは、藤田まこと扮する安浦刑事が主人公の『はぐれ刑事純情派』ではないでしょうか

ハイトーンで駆け抜けるソロは、トランペット奏者憧れの曲ですが、非常に音が高く難しい曲でもあります

 

また、ジブリ作品『天空の城ラピュタ』で演奏される『ハトと少年』はあまりにも有名です

(寝起き+ウォームアップなしで、あのクオリティーの演奏ができるのは、なかなかの腕前と何より強靭なハートが要求されると思います)

トランペットの苦手分野…?

このように、幅広いジャンルで活躍するトランペットですが、これまで紹介してきた楽器と違い、同族でアンサンブルを組むことは少々苦手です

不可能ではないですし、実際にトランペットのみのアンサンブルもいくつか存在していますが、もともと高音演奏に特化した楽器ですので、音域の幅が狭いのです

 

例外として「バストランペット」という楽器はありますが、これを正式な家族に数えるかどうかは議論の余地があるかもしれません

同族内でも、演奏音域はほとんど同じで、ただ調が違う(基準となる音階が違う)程度の差しかありません

 

ですので、どちらかといえばオーケストラのように、他の楽器と協働で演奏する方が得意な楽器と言えます

一人きりでは「目立つ」こともできませんよね(人間と一緒です)

【まとめ】オーケストラの支配者トランペットの魅力

トランペットオーケストラ

いかがでしたでしょうか

歴史の深さや、宗教との意外な結びつきなど、簡単ではありますがお伝えできたのではないでしょうか

そんなトランペット、残念ながらミニケストラで聴くことはできませんが、ぜひ今回紹介したYouTubeなどでその音色を聴いてみてくださいね!

少しでも皆さんに興味を持ってもらえたら幸いです