作曲/アレンジ

【楽曲紹介】ルパン三世のテーマのアレンジの秘密

楽曲紹介の連載第2回目、今回は名曲中の名曲、知らない人はいないアニメ主題曲の「ルパン三世のテーマ」です

 

ですが、曲は聴いたことあるけど曲のこと自体はよく知らない人、意外と多いのではないでしょうか

大野雄二さんとは誰か、いつ作曲されたのかなど、まずは曲についてお話していきますね

 

カバーされ過ぎている名曲「ルパン三世のテーマ」

現在、YouTubeなどで「ルパン三世のテーマ」と検索すると、非常にたくさんのバリエーションがヒットします

インストゥルメンタル(歌なしのアレンジ)版だけでもたくさんあるのに、それに加えて数多くのアーティストによってカヴァーされたヴォーカル版もあります

 

一体どれが原曲なのか、よくわからないですよね

なんとカヴァーを除いても、「ルパン三世のテーマ」と名のつく曲が20種類近くあるんです!

 

そもそもの原曲は、1977年10月に日本コロムビアからリリースされました

(ちなみにB面は「ルパン三世愛のテーマ」…知ってますか?これも名曲です)

 

曲名の通り、当時人気だったモンキー・パンチ原作の漫画「ルパン三世」のアニメ化に合わせて作曲された曲です

 

アニメ版最初からの主題曲ではなかった!

実は、アニメ「ルパン三世」の最初からこの曲だったわけではありません

アニメ「ルパン三世(TV第1シリーズ)」が放映されたのは1971年10月からですが、当時の音楽担当は山下毅雄さんでした

彼もまた偉大な作曲家なのですが、それについてはぜひ皆さんで調べてみてください

 

大野雄二さん作曲の「ルパン三世のテーマ」が使用されたのは1977年10月からのTV第2シリーズからです

山下毅雄さんの試みた、当時としては斬新なジャズ的要素のある音楽を引き継いで作曲されました

現在は後に発表されたバージョンと区別するために「ルパン三世のテーマ’78」と表記されることが多いです

 

演奏しているバンドは大野雄二さん率いる“You & Explosion Band”

当時のトッププレーヤーを集めた贅沢なバンドで、それまでのアニメにはなかった、ジャズを前面に押し出した革新的なサウンドが特徴です

 

原曲の特徴は何と言ってもアニメ主題曲とは思えないほど大人っぽいジャズ音楽!

さすがは本人もジャズミュージシャンである大野雄二さん、各楽器の良さを完璧に引き出しています

ご本人のピアノとエレクトーンも非常にキレがあり、聴き惚れてしまいます

ちなみに、今も現役でノリノリの演奏を繰り広げておられますよ!

 

というわけで、原曲はジャジーでファンキーな曲だったわけですが、これがミニケストラの手にかかると、どのように生まれ変わるのでしょうか?

 

ミニケストラ版…原曲とはまた違う「大人っぽさ」!

名前でおわかりの通り、ミニケストラは主にラシックで使用されている楽器によって編成されるアンサンブルです

それらでこの曲を演奏すると、音楽の聴こえ方も随分と変わってきます

 

曲の冒頭、イントロは原曲の派手でイケイケな感じとは違い、少し落ち着いていて緊張感のある雰囲気では無いでしょうか

ジャズやポップスをクラシック的なアレンジや編成で演奏するジャンルをクラシカル・クロスオーバーと呼びますが、この曲はまさにこの言葉がぴったりです

 

 

イントロ後の最初のメロディ(Aメロ、0:17〜)はフルートが受け持ちます

 

フルートはジャズバンドでも使われることのある楽器なだけに、曲の持つ印象とよくマッチしていますね

 

ここでは途中(0:26〜)から入ってくるピアノとヴァイオリン、チェロによる伴奏も聴きどころ!

軽やかさの反面、薄くなりがちなフルートのメロディを上手く引き締めています

 

次にメロディを担当するのはヴァイオリン(0:36〜)

数ある「ルパン三世のテーマ」のバリエーションの中でも、ヴァイオリンが使われているアレンジは非常に珍しいのではないでしょうか

 

そしてメロディばかりが目立ってしまいますが、縁の下の力持ちとしてアンサンブルを支えているのがコントラバスによる伴奏です

ジャズバンドでは一般的な、弦を弓ではなく指で弾く演奏方法を「ピチカート」と言いますが、ここではその技が光っています

「ヨコ」感が強くなりがちなクラシカルアレンジに良いアクセントとなっています

 

そして1:37からはジャズアレンジの醍醐味、各楽器によるソロが始まります

フルート、チェロ、ヴァイオリン、ピアノ、そしてコントラバスの順番でソロを回していきます

各楽器の特色を生かしたソロに仕上がっていると思います

そして頑張って演奏しているメンバーの姿にも注目です!

 

特に3:05からのコントラバスのソロは、皆さんなかなか聴くことはないのではないでしょうか

ジャズの中では比較的あるんですが、ジャズアレンジされた曲で聴けるのは貴重です!

 

全員での演奏に戻る直前の、メンバー間でのアイコンタクトもかっこいいですね

 

 

3:38からAメロに戻るんですが、ただ同じことを繰り返すと、聴いている方も飽きてしまいますよね

そこはミニケストラ!

しっかりと、しかしさりげなくアレンジを変えています

メンバー全員がメロディを受け持つことができるのも、小編成アンサンブルならではですね

ラストはしっとりとしたハーモニーで、大人の色気を感じることができます

 

ミニケストラの色を、見て・聴いて

いかがでしたでしょうか?

ミニケストラ版「ルパン三世のテーマ」、その魅力が伝わったでしょうか

編成の珍しさやアレンジなど、原曲とは違ったかっこよさがありますよね

 

これからも楽曲紹介を行なっていきますので、どうぞお楽しみに!

 

動画を見て、少しでも「面白いかも」と思った方は、ぜひミニケストラのコンサートにも足を運んでみてください

動画では伝えきれない生演奏の楽しさを体験していただきたいです!

 

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『魔訶不思議アドベンチャー!』のアレンジを読み解く – 聴き手視点