TED

良いリーダーを目指すあなたに贈る、イタイ・タルガム 「偉大な指揮者に学ぶリーダーシップ」(Lead like the greate conductors)

あなたは良いリーダーとは何か、考えたことはありますか?

会社でチームを上手くマネジメントしたい、部下を上手く引っ張れるようになりたい、コミュニティのメンバーをもっと活発にしたい

でも、どうすれば上手くいくのかわからない…

そんな悩みはないでしょうか?

そんなあなたに一度見てほしいのが、イタイ・タルガム氏の「偉大な指揮者に学ぶリーダーシップ」(英題:Lead like the greate conductors)のTED講演です

タルガム氏は数々の有名なオーケストラと共演している偉大な指揮者ですが、それだけではなく、企業や大学などでリーダーシップの講演をしています

今回の講演ではタルガム氏が、5人の指揮者から学べるリーダーシップについてご紹介いたします

リーダーが陥る勘違いとは【指揮者から学ぶ】

タルガム氏は「指揮における魔法の瞬間は、指揮者が指揮台に上がった瞬間に、それまで雑音だった楽器たちの音が音楽に変わる瞬間だ」と語ります

多くの指揮者は、一流の演奏家たちをまとめるには、自分の指揮が必要だと勘違いをしてしまいます

会社も同じように、チームリーダーや部長になったというだけで「自分が偉い」「チームには自分が必要だ」と勘違いしてしまう人がいるのですます

しかし、ただ指揮棒をもって指揮台の上に上がっただけで素晴らしい指揮ができないように、役職が与えられただけで素晴らしいリーダーになれるわけではありませんよね

オーケストラであっても会社であっても、素晴らしいハーモニーを作り出せるリーダーには条件があります

【リーダーの条件】最高のオーケストラ・最高のチームとは

はじめに、タルガム氏は「良い例」としてカルロス・クライバー氏の指揮とオーケストラの映像を流します

指揮者は楽しそうに指揮をし、演奏家たちや、聴衆も手拍子をして楽しそうに音楽に参加しています

映像の中で指揮者は、喜びや幸せを振りまいて指揮をしているのがお分かりでしょうか

彼自身の持つストーリーや音楽への感情だけでなく、この音楽に関わる他の人々のストーリーも感じさせているのです

普通はウィーンの聴衆が手拍子をしてオーケストラを聞くことはありません

この時は慣例を破って、聴いている人もみんな手拍子で音楽に参加してしました

この映像をオーケストラの経営幹部たちに見せると「彼は仕事をしているはずなのに、なんでこんなに楽しそうなんだ」と口々に言うそうです

 

指揮者は、ただ自分が楽しく指揮をしているのではだめで、音楽に参加している人全員を巻き込んで音楽を作らなければいけません

どんなリーダーでも同じことが言えるのではないでしょうか?

コントロールから学ぶリーダーシップ

しかし、指揮者の中にはオーケストラをコントロールする人もいます

大御所指揮者であるリッカルド・ムーティ氏は指示が明確で、少し命令的なほどです

彼はインタビューで「私にはモーツァルトの作った音楽を指揮する責任があり、この演奏方法が私が解釈をしたモーツァルトだ」と答えています

ムーティ氏が解釈したモーツァルトの音楽を演奏者に弾かせるように、コントロールすることが指揮者の仕事であると考えていました

彼は偉大な指揮者でしたが、演奏家たちをパートナーではなく、彼の音楽を弾かせる楽器のように考えていたのです

その後、スカラ座の全従業員700人連名の手紙でムーティ氏は辞任をすることになりました

 

音楽家たちを指揮でコントロールしようとした結果でした

この例のように、リーダーの指示は明確でわかりやすいだけではいけないのがわかると思います

チームのメンバーの意思を無視してしまわないように、汲み取ることが必要になってきます

干渉しないリーダーによって、自然な行動を促す

それでは、メンバーに命令やコントロールをしない場合はどのように指揮をするのでしょうか?

指揮をするリヒャルト・ シュトラウス氏はメンバーに命令することなく落ち着いていて、教科書のように指揮をします

彼は指揮中に楽譜のページをめくるという行為を通して、オーケストラに

「これは私のストーリーでも、あなたのストーリーでもありません。音楽は楽譜に書かれた通りに演奏するんです」

という、メッセージを送っているのです

シュトラウス氏が30歳の時に書いた「指揮者の10箇条」 の1番目に「コンサートが終わった時に指揮者が汗をかいているならそれは間違った指揮だ」と述べられいます

このように彼の指揮はオーケストラには干渉せず、自然に素晴らしい音楽が発生するようにしているのです

メンバーに干渉しすぎないことで、自分の能力を発揮できるように

明確な指示をしないリーダーは「考えること」を生み出す

ドイツの素晴らしい指揮者ヘルベルト・フォン・カラヤン氏は目を閉じて指揮をします

目を閉じたまま指揮をしているので、演奏家達はカラヤン氏の指揮から彼が何を考えているか推察して、お互いに合わせながら演奏しなければいけません

カラヤン氏は後のインタビューで指揮について聞かれた時に、

「私がオーケストラに与える最大の害は明確な指示を与えることです。明確な指示を与えることで、オーケストラが互いに音を聴き合ってつくるアンサンブルを妨げてしまうのです。」

と答えています

彼の指揮は明確な指示をしませんが、演奏する人にとっては心理的にとても強いコントロールになります

会社でも、リーダーが「自分で考えて行動しろ」と指示を多く口にしないことで、各々の思考力を身につけることができるかもしれません

良いリーダーは環境を作る

クライバー氏がモーツァルトの指揮をした時に、クラリネットのソロが入ります

その時、クライバー氏は全く指示を出さず、むしろソリストの演奏を楽しんでいました

そして彼は演奏中に表情やボディランゲージを使い、彼の演奏に賞賛を示します

そうやって全く指示を出さず好きなように演奏させることで、オーボエの演奏者は自律的で、楽しく、自分の仕事に誇りを持ってクリエイティブな演奏ができるのです

クライバー氏が思う指揮者の役割とは、オーケストラをコントロールするのではなく、演奏者一人ひとりが作り上げる音楽を、全体としてまとめ上げて最高の音楽を作ることです

賞賛や叱咤を上手く使いながら、一人ひとりが自律的に行動することができる環境を作り、それぞれの個性を一つにまとめあげること、それこそがリーダーの役割ではないでしょうか

指揮者に学ぶ良いリーダーの条件とは

いかがだったでしょうか

今回のTEDの講演ではオーケストラの指揮者と素晴らしいリーダーには意外な共通点について知ることができました

タルガム氏の講演から、素晴らしいチームや組織を作り出せるリーダーには次の3つのことが重要だということがわかります

・リーダーとメンバーの関係をパートナーと考えること
・ひとり一人が自律的に力を発揮できる環境を作り出せること
・リーダーとチームが同じビジョンを共有すること

もし、チームビルディングで悩んでいるのであれば、ぜひタルガム氏のTED講演をご覧になってみてください

今回の講演のフルバージョンは下記からご覧になれます

今までオーケストラの演奏を聴いたことがない方も、一度演奏を聴くことで新しい考え方に気がつくことができるかもしれません

ミニケストラでは、今までオーケストラでクラシックを聴いたことがない方でも楽しめるように、みなさんが知っているアニメやゲーム音楽を取り入れたステージを企画しています

よりオーケストラを身近に感じてもらうために、小規模なライブハウスや水族館など、あなたの身近な場所で定期演奏会を行っています

少しでも興味を持った方はぜひ一度足を運んでみてください